Interview Vol.5 - MWJ｜ミドリ安全株式会社

働く女性応援プロジェクトインタビュー　第5弾

商品開発者の思いを届ける

女性向けヘルメット「LSC-11PCLα」の商品開発に携わった久野光利さん。
現場で活躍する女性たちの声をカタチにするために、新商品が完成するまでの道のりをお聞きしました。

―「LSC-11PCLα」は、現場で活躍する女性の声が反映された商品ということですね。久野さんは、「LSC-11PCLα」の商品開発に際して、どのように関わりましたか？

久野　LSC-11PCLαの開発にあたっては、社内の女性向け保護具のプロジェクトチーム（MWJ）に参加し、女性が多く活躍している企業や団体にヒアリングを行うなどして意見を収集しました。ヒアリングで出た意見や部内で検討した内容を持って、商品開発部門と何度も検討を重ねながら、商品完成までのフォローを行いました。

―「LSC-11PCLα」は、ミドリ安全では初めての女性向けヘルメットということでしょうか？

久野　これまでは、「小サイズ」というくくりで、女性や子ども向けという商品はありましたが、女性向けに設計された商品は、LSC-11PCLαが初めてです。

― ミドリ安全は、「現場の声を聞く」ことを大切にしていますね。ヘルメットに関しては、現場で働くユーザーからはどのような声が上がりましたか？

久野　女性が活躍している企業や団体へのヘルメットに関するヒアリングを行った結果、共通で上がった意見は、「後ろに結んだ髪の毛がヘッドバンドに干渉して気になる」という意見でした。従来のヘルメットの形状では、結んだ髪の毛でヘルメットの装着が不安定になって使いづらかったり、髪の毛が乱れたりするなどのお悩みがあったようです。

その他にも、サイズの問題や、汗やファンデーションの付着が気になるなど、男性の目線では気づかなかった貴重な声をたくさん聞くことができました。

― ユーザーの声を反映して完成したヘルメットが「LSC-11PCLα」ですね。

久野　現場で働く女性の悩みを聞き取り調査してから、約2年で完成したのがLSC-11PCLαです。LSC-11PCLαの大きな特長は、後頭部の形状を工夫し、後ろに束ねた髪の毛に干渉しにくい形状を採用していることです。さらに、ヘッドバンドの高さが上下３段階に変更できるようになっているので、結んだ髪の位置に応じて調整できるようになっています。

サイズは、女性だから小さくすればいい、ということではないので、女性の頭部サイズの統計データをもとに、より幅広い方へカバーできるサイズ設定をしています。LSC-11PCLαの寸法に合わせて新たに内装設計も行うため、そのあたりは開発部門でも苦労したようです。ただ、サイズが小さくなった分、従来のヘルメットより約50gの軽量化にもつながりました！また、お手入れのしやすさにもこだわっています。汗や汚れを気にされる方も多いため、内装を外しやすい構造にして、汚れた際にも簡単に取り外して洗えるようになっています。

― 実際に「LSC-11PCLα」を使用したお客様の感想はいかがですか？

久野　サイズや後頭部の形状が、頭にフィットして被りやすいとの感想をいただいております。また、内装を外しやすい構造も、あご紐を洗いやすいとのことで好評いただいています。カラーバリエーションを豊富に取り揃えているので、選択肢が増えたことも喜ばれています。

一番人気は定番のホワイト／スモークですが、LSC-11PCLα用に発売されたホワイト／ピンクのカラーは、二番目に人気の商品となっています。

― 今後の目標は？

久野　ご意見をいただいた中で、まだ解決できていない課題が、「髪の毛にヘルメットの着用跡が残ってしまう」ということです。作業が終わって、そのまま出かけたりする場合に髪の毛の乱れが気になる方が多いようです。長時間ヘルメットを被っていると、どうしても圧がかかってしまうのと、ヘルメットを頭部に密着させないと安定しないため、ハードルの高い課題ではありますが、今後もよいアイディアを考えていきたいと思います。

また、軽量化についてはゴールがないので、安全性を確保した上で、より軽く、より被りやすいヘルメットを追求していきたいですね。