現場での経験や環境をお聞きしつつ、どんな製品が求められているのか、
建設業界の第一線で活躍されている、みなさまの生の声をお聞きしました。

子育てしながら現場での仕事ができる環境づくりを

熊野 大変なことで言うと、女性の場合は出産や子育てのこともありますよね。私は先ほど話したように転勤の時が特に大変でした。ただ、よかったなと思うことは娘が自分でお弁当を作るようになったこと。私のやり方をみていたのか、同じように前の日におかずを仕込んだり自分でやっていました。それから、いま保育園が不足して入園できない問題が大きく取り上げられているけど、いまにはじまったことではなくて昔から保育園に入りにくいことはありましたよ。

森嶋 私には15歳になる息子がいますが、保育園問題はその頃からありましたね。それに、保育園は時間の制約があるので、決まった時間にあずけられないことも多くて。朝早くて夜遅くなるときや、土曜日に仕事があったりするとそのあたりのマッチングがなかなか難しい。

熊野 針川さんは12月にご出産されて、産休から復帰したばかりなんですよね。

針川 半年ほど育児休暇をとって5月に復帰しました。いまでも外勤で働いています。

熊野 建築現場や土木関係の仕事にも、女性が就くようになったけど、いちばんネックになっているのは、森嶋さんや針川さんのように出産後、子育てをしながら現場に戻ってくる人が非常に少ないということ。制度、環境、体力の面などの問題があると思います。男性の方の協力なしに、この問題解決は絶対に出来ません。私には今、孫がいますが、みんなにも孫ができてからも仕事をして欲しいと思っています。

八巻 いまの会社は、自宅から近いということと、これから出産して子育てしながら仕事を続けていけそうかどうか、ということも考慮して決めました。家族の協力も必要です。

森嶋 現場での環境でいうと、女性が現場にいることを前提にした環境づくりになってきていることは確かだと思います。トイレ、更衣室など、大きい現場だけでなく小さい現場でも改善されるようになってきているとは感じています。男性の意識も変わってきてるようで、女性が来るとわかると汗拭きシートを持って、においを気にしたりする職人さんもいますよね。

女性の立場になって開発する安全保護具

池田 現場での仕事環境もだいぶ変わってきているというお話が出ましたが、ユニフォームや安全保護具などについてはどうでしょうか? 当社でも、女性用製品開発を本格的にはじめました。本日は、みなさんに製品を試着していただきたいと思います。

森嶋 (ハーネス型安全帯を試着)ゴンドラ作業のときに使うんですよね。これは装着しやすい。股がきつくない。V字になってしまうのが気にならないようになっています。

熊野 ワンタッチなのがいいですね。安全帯って、1秒でも早くはずしたい!(笑)。あっ、永井先生カッコイイ。

永井 胴ベルト型の安全帯は、ベルトが長すぎていつもあまっちゃう。これは少し短くなってるんですね。長いと危ないこともあるから。

熊野 軽い! 従来の半分の重さもないかも。

安全で快適に働ける環境づくりを目指す
「働く女性応援プロジェクト」

八巻 (フリーサイズの革手袋、従来品を試着)あ、大きい。こんなに余っちゃう。

永井 (新しい女性用サイズの革手袋を試着)スリットが入ってる。スリットが入っているほうが作業しやすくていいかも。作業することを考えると、薄手のほうがいいですよね。指になじむような感じの。

森嶋 手袋をしたまま作業できるといいですね。

八巻 めがねは、従来のものと比べると全然違いますね。すごいフィットしてる。動いてもこれならズレない。

針川 フィットしてますね!

(永井さんユニフォーム試着)

森嶋 作業着っぽくない! ジャケットを羽織っているような感じ。

永井 ほんとに?? 作業着を決めるポイントは、ポケットの数! 実験したり、現場に行く時ポケットの数がないといろんなものを持っていくのに不便。これはポケットに手帳が入る。

熊野 パンツはカーゴパンツがいいですよね。

永井 安全靴、軽い!! 安全靴はいて1日中現場にいると、重すぎて疲れ切っちゃいます。

熊野 永井先生、ヘルメットもかぶってみてください。凹んだところとひもの間から髪の毛を出すと、ポニーテールでもそのままかぶれるみたいですよ。

永井 トータルコーディネイトでぴったり。

熊野 ミドリ安全さんには、現場で働く女性を応援するプロジェクトチームがありますよね。

池田 はい。「働く女性応援プロジェクト」を発足しました。女性が安全で快適に働ける環境づくりを目指し、使いやすい安全保護具のブランドを本格的に展開してサポートしていきたいと考えています。実際に現場で仕事をされている方々に意見をお聞きすることが少ないので、こういった機会にご協力いただけると非常にありがたいです。

熊野 このような製品は災害の場面でも活躍するのではないでしょうか? 活用の場がどんどん広がっていくと思います。女性ネットワークの会としても広げていきたいですね。これからもよろしくお願いいたします。

池田 こちらこそ、よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

about 日本建築仕上学会 女性ネットワークの会

「日本建築仕上学会」とはすべての建築仕上げに関連する人たちが集まる学会。
個人会員は約300名。女性が現場に出ることも増え、女性同士の横のつながりが必要、ということで発足しました。
現在運営委員は10名。女性ならではの挑戦をして、能力を発揮できるような場にしていきたい。

  • 熊野康子さん

    ㈱フジタ 建設本部 技術部
    女性ネットワークの会主査

    入社28年。建築技術の指導、現場のサポートを行なう。小さなことでも“継続は力なり”がポリシー。

  • 永井香織さん

    日本大学 准教授 生産工学部
    日本建築仕上学会 理事

    研究は材料施工専門。テーマは超高層の大規模修繕など。学生には建築の楽しさや厳しさを教えたい。

  • 八巻志帆さん

    水白建築設計室
    カラーコーディネーター2級

    マンションの大規模修繕の設計と施行を担当。この仕事について3年目。仕事も遊びも毎日真面目に楽しくやる、がモットー。

  • 針川優子さん

    ㈱マサル 第1営業部
    2級建築施工管理技士

    入社10年目。仕事は新築工事のシーリング施工管理。何事も“メリハリ”が大切だと思っている。

  • 森嶋順子さん

    トーヨー科建㈱ 工事営業部
    一級建築施工管理技士

    仕事は改修工事全般。現場に出てからあっという間に15年。モットーは“努力は嘘をつかない”!

ミドリ安全では、現場で働く女性の意見を参考に
商品開発を行っています。